総合的な鳥獣被害対策について

鳥獣被害対策で大切なことは
野生動物が安心できる隠れ場所やエサ場をなくし、魅力のない環境に整えることです

野生動物は、安全な隠れ場所とエサがたくさんある場所を好みます
農地周辺を『安全なエサ場』だと思わせてしまうと、頻繁に出没するようになり、やがて被害を引き起こしてしまいます

鳥獣被害は、まず 
[1]近づきにくい環境にする(環境改善)
[2]エサを食べさせない(侵入防止)
ことで野生動物の好まない環境へ変えます

更に、被害や危険を及ぼしている個体を必要に応じて
[3]捕獲する(加害個体の捕獲)
という総合的な対策で防ぎましょう

環境改善

野生動物が簡単に近づきにくい環境へと改善します

◆安全に身を隠せる「ひそみ場」をなくす

伸びた雑草や木の下枝など、野生動物が簡単に身を隠せるような場所を「ひそみ場」といいます
警戒心の強い野生動物は、ひそみ場を伝って人里や農地へと近づきます
ひそみ場からは人の様子がよく見えますが、人には気づかれにくいため、人に慣れてしまう原因にもなります
一度人に慣れてしまった個体は、平気で人里に近づくようになってしまいます

総合的な鳥獣害対策 環境改善 安全に身を隠せる「ひそみ場」をなくす

↑農地周辺の草刈りや木の下枝を切り、見晴らしがよく野生動物が安心して隠れる「ひそみ場」をなくしましょう

◆野菜くずなどの生ごみ、食べない果樹(果実)を放置しない

人が捨てた野菜くずや、虫や病気で食べられない果実なども、野生動物にとっては貴重な食料(エサ)になります
放置されたエサを食べた動物は、人里にはおいしいエサがたくさんあると学習します(←餌付け)
エサの味をおぼえて餌付けが進むと、何度もやってくるようになり、やがて農作物の被害が起こるようになります
野菜くずなどは持ち帰って処分するか、土に埋めるなどしてきちんと管理をしましょう

総合的な鳥獣害対策 環境改善 野菜くずなどの生ごみ、食べない果樹(果実)を放置しない

↑人にとってはゴミでも、動物にとってはおいしくて栄養たっぷりのごちそうです

◆管理しやすい環境づくり

収穫できない果樹は放っておくと動物のエサとなりおびき寄せてしまう原因となります
野生動物が近づきにくい環境を維持するために、管理しやすい環境づくりをしましょう
果樹はすべて収穫できるように樹高を低く仕立て、管理しやすい環境に整えます
また食べないで放置している果樹は思い切って伐採しましょう

総合的な鳥獣害対策 環境改善 管理しやすい環境づくり

↑何歳になっても管理しやすい果樹は、人にも鳥獣被害対策にもいいことがいっぱい

◆姿を見かけたら必ず追い払う

野生動物の姿を見かけたときは、たとえ”被害に遭っていなくても”姿を見かけた時は必ず追い払いましょう
何もしていないから・・・とそのまま放置しておくと「ヒトは怖くない」と認識し、人に慣れてしまいます
人がいる場所=危険なコワい場所という認識を持たせることが大切です

総合的な鳥獣害対策 環境改善 野生動物の姿を見かけたら必ず追い払う

↑『ヒトはこわくて、この周辺はゆっくりできる安全な場所ではない』と認識させましょう

*『野生動物が好まない農地への改善の重要性』は、井上雅央氏、西日本農業研究センター江口祐輔氏により提唱されています

侵入防止

野生動物が侵入できないように電気さくやネット、フェンスで囲い(柵)をします

◆電気さくやネット、金網などで囲む

柵には電気さくやネット柵、フェンス柵などいろいろ種類がありますが、対象の野生動物により適した柵は違います
また、囲む場所の地形など周囲の環境によっても適正は変わりますので、特徴に合わせて資材を選びましょう

◆冬こそ大切!兵糧攻めで個体を増やさない

収穫が終わるとせっかくの侵入防止柵を撤去したり管理を怠って次のシーズンまで放置をしてしまいがちです
けれども実は自然のエサが少なくなる冬こそが侵入防止(鳥獣被害対策)で一番大切な季節です
稲刈り後の田んぼのひこばえや、取り残した果樹や放置した白菜や大根などの野菜くずは、すべてエサの少ない冬場の貴重なエサとなり、元気な子供をたくさん産める栄養状態の良い個体を増やす原因となります

収穫後も侵入防止対策を継続し、冬場のエサをなくして個体数を増やさないようにしましょう

総合的な鳥獣害対策 侵入防止 冬場こそエサ場とならないようにしっかりと侵入防止対策を継続しましょう

↑本来、冬はエサが少なく、強い個体だけが生き残る厳しい季節
 エサを食べさせないことが個体数を減らす一番の方法です!

加害個体の捕獲

人里の近くをエサ場とし、被害を起こしている個体を捕獲します

◆環境改善と侵入防止とあわせて行う

捕獲だけでは農地の被害を止めることはできません
また、被害が起きている人里から離れた場所で捕獲をしても人里での被害は減りません
ですが、被害がひどかったり人に危害が及ぶ恐れがあるなど捕獲をする必要がある場合は、まず人里近くに住みつき被害を引き起こしている個体を捕獲します

おりやわなで捕獲する際は、環境改善と侵入防止の対策と合わせて行い、周囲でエサが食べられない環境にすることで、仕掛けのエサの魅力度が高くなり捕獲の効率も上がります

※捕獲には原則として免許が必要です。

総合的な鳥獣害対策 加害個体の捕獲 環境改善や侵入防止などの対策と合わせておこなう事で捕獲率も上がります

↑農地周辺で食べられるエサがなければ、捕獲檻のエサがとても魅力的なエサになる!

タイガーでは
農林水産省委託事業気候変動プロジェクト「野生鳥獣被害拡大への対応技術の開発」
(プロジェクトリーダー 江口祐輔氏(農研機構))の「気候変動野生動物対策コンソーシアム」に参画し、
新たな獣害対策製品の開発にも取り組んでいます

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